導入事例インタビュー『泉陽興業株式会社様』
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2025/03/13
YOKOHAMA AIR CABIN(ヨコハマエアキャビン)は、「JR桜木町駅」の駅前と新港地区の「運河パーク」を結ぶ都市型循環式ロープウェイとして、2021年4月に開業しました。
横浜が迎える多様なお客さまからの観光需要に応える中で、セイコータイムクリエーションのデジタルサイネージが活用されています。ヨコハマエアキャビンの企画・建設・経営を担う泉陽興業株式会社のロープウェイ事業部 総務経理課広報担当の青木拓夢さまにお話しをうかがいました。

泉陽興業株式会社 青木氏
YOKOHAMA AIR CABIN のホームページはこちら
―ヨコハマエアキャビン開業の背景と、現在のご利用状況についてお聞かせください
ヨコハマエアキャビンは、横浜市が推進する都心臨海部の「まちを楽しむ多彩な交通の充実」施策に基づき、横浜の街を楽しむ多彩な交通手段のひとつとして誕生しました。都市型循環式ロープウェイは日本初で、ファミリーやカップル、インバウンドなど、さまざまなみなとみらいエリアの来街者に向けて、回遊の促進やバリアフリー移動のお手伝いをしています。
開業から約3年が経ちましたが、週末や祝日、イベントなどがあると多くの方がご搭乗されます。平日は地元の小学校や中学校の校外学習で利用されることもあります。また、映画やドラマの「ロケ地巡礼」やアニメ作品とのコラボでファンの方が集まったり、近隣の結婚式場で式を挙げた新郎新婦がゲストへのプレゼントとして、ヨコハマエアキャビンのチケットをご利用されたりすることがあります。
―ヨコハマエアキャビンでは、2拠点の複数個所にデジタルサイネージが導入されています。それぞれどのように活用されているのでしょうか?
当施設では、桜木町駅の4か所と運河パーク駅の2か所、計6か所にデジタルサイネージを設置しています。
まず、それぞれの駅の入り口には、営業カレンダーや混雑時の待ち時間、運休やメンテナンス情報などを表示するサイネージが設置されています。
▼桜木町駅東口から出た目の前に「YOKOHAMA AIR CABIN」の建物と、営業時間を示す屋外サイネージ
桜木町駅側は2階、運河パーク駅側は1階に待機エリアとチケット販売所があります。チケットブース上部のサイネージには、料金や乗車時の注意事項などが表示されます。待機中のお客さまに向けては横浜市や近隣施設の観光案内を流したり、映画やアニメのコラボ映像を流したりして、待ち時間も楽しんでいただく工夫をしています。横浜を舞台にした映画とのコラボでは、主演俳優の方に音声案内を撮りおろしで収録していただき、それを流したこともありました。
▼運河パーク駅側の1階エントランスホール。3種類の役割を担うデジタルサイネージが合計7台

▼桜木町駅側のチケット販売エリア。コラボイベント時はファンがサイネージの映像を撮影する光景も。

▼桜木町駅側は待機エリアが広く、出発待ちの通路と到着口にもサイネージが設置されている

▼運河パーク駅側の搭乗口。フルフラットのバリアフリー設計になっており、ベビーカーや車いすでもそのまま搭乗できる。

―ポスターなどの印刷物の掲示とデジタルサイネージでの動画放送は、どのように使い分けていますか?
視覚的な訴求、という意味では似ていますが、印刷物と動画では見た方に与える印象がだいぶ違うと思っています。
たとえば印刷物は、そこに書かれている内容をじっくり読んで、詳しい情報を得てほしいものや、持ち帰ってほしいもの、持ち歩いていただきたいものの情報を提供するのに適しています。具体的には「周辺施設の割引情報」「チケットキャンペーン情報」「スタンプラリー」などになるでしょう。
一方動画は、印象に残ってほしい情報を効果的に提供するのに適していると思います。その日休業している施設や急な運休、最終運行時間といった「強く印象付け、注意してほしいこと」を掲示するにはサイネージが最適です。表示内容の管理は駅内のオペレーションルームで実施しているため、災害や緊急メンテナンスなどの際はすぐにコンテンツの差し替えができます。
▼メンテナンスや天候不良による急な運休では、全サイネージの表示が一斉に切り替わる

音声機能は標準で搭載されていたのですが、開業当初は利用しておらず、営業を始めた後に現場スタッフから「音声ガイドもあったほうがいい」という意見が出ました。三歳以上は有料であることやペット連れでの搭乗はできないこと、お子さま(小学生以下)のみでの搭乗はできないことなど、細かい注意事項が映像だけでは伝わりにくかったようです。スタッフによる口頭案内が必要になることがあり、それが現場の負荷になっていました。
それですぐに音声ガイドを追加しました。細かい注意喚起に加えて多言語対応もある程度自動化できたため、現場の負荷が軽減され、有効に利用しています。
―ヨコハマエアキャビンやデジタルサイネージの活用について、今後の展望をお聞かせください
ヨコハマエアキャビンは単なる移動手段ではなく、横浜の魅力を発信する場でもあります。私自身が横浜出身なので、この事業の立ち上げや横浜の街づくりには思い入れがあります。今後も周辺施設や地域との連携を強めて、横浜の魅力を伝えるお手伝いをしていきたいと考えています。
プロモーション映像の広告展開も可能ではないかと考えています。現在は横浜市から提供を受けた映像や当社が運営する周辺施設の情報をコンテンツとして流していますが、コラボ企画も好評でした。サイネージで表示するための動画コンテンツの仕様は明確に指定されているため、外部にコンテンツを作っていただく際は仕様を共有するだけで済み、当社側の負担はそれほどありません。企業様向けにプロモーションの場としてご利用頂く展開も可能です。
待ち時間、搭乗時間、搭乗中、到着後の観光など、ヨコハマエアキャビンを利用するそれぞれの時間で横浜を楽しんでいただきたいと考えています。デジタルサイネージも含めて、お客様にとってより魅力的な空間を作っていければと思っています。
_________今回は、お忙しいところ貴重なお話しをありがとうございました
お客様プロフィール
社名
泉陽興業株式会社
本社所在地
〒556-0016 大阪市浪速区元町1丁目8番15号(泉陽ビル)
事業内容
・遊園地、公園、リゾートの総合企画・建設・経営
・各種遊園機械、リゾート施設、輸送設備の設計・製作・施工・販売
・エコライド(省エネ型短距離都市交通システム)の設計・製作・施工・販売
・各種遊園機械、公園施設、レジャープール
・パークトレイン・リフト・コンベアー・ロープウェイ等輸送機器並びに特殊機械
・オートロード・オートケーブル等のゴルフ場施設
・装飾・工芸
・土木・建築・造園
以上の企画・設計・製作・施工・販売・経営並びに輸出入
URL
https://www.senyo.co.jp/